【静岡新聞】中谷さん文科大臣賞 全日本短歌ジュニア大会

 

2012年9月の記事一覧 : 日本語日本文学科

「家々の屋根を押しのけいつもより大きな月が私をのぞく」
中谷さん(常葉学園短大2年)文科大臣賞 全日本短歌ジュニア大会
「心のときめき」表現

 第6回全日本学生・ジュニア短歌大会(日本歌人クラブ主催)の高校生・大学専門学校生の部で、常葉学園短大2年の中谷愛美さん(19)が最高賞の文部科学大臣賞を受賞した。同部の応募総数は3370首。15日、東京都渋谷区の明治神宮で授賞式が行われた。

 受賞作は「家々の屋根を押しのけいつもより大きな月が私をのぞく」。5月上旬、藤枝市内の自宅近くから地球に最接近した満月「スーパームーン」を見上げた情景を描いた。「静けさに包まれて、月と1対1で向き合っているような気持ちになった」と中谷さん。選者の1人で歌人の藤原龍一郎さんは「作者の心のときめきが一首全体にみなぎっている」と評した。

 同短大日本語日本文学科に所属する中谷さんは、本年度から始まった授業「文芸創作演習」で初めて本格的に短歌に取り組んだ。担当の桜井仁教諭からは「ちょっとした心の動きを捉えることが大切」と教えられた。

 2週間に1度、3首を提出し学生同士で評し合う。中谷さんは作品作りのためにB5判のノートを持ち歩き、歌を書き留める。携帯電話も活用する。心打たれた風景を撮影し言葉の断片をメモしておく。創作の最難関は「最後の7文字」。1日頭を悩ますこともある。納得の言葉が浮かんだときは「パズルが解けたようなうれしさ」がこみ上げるという。

 中谷さんは幼少期から「本の虫」で、中学時代には友人と小説を合作したこともある。今は「博士の愛した数式」など、小川洋子さんの小説を愛読している。「『言葉で遊ぶ』のは楽しい。どんな職業に就いても、短歌は作り続けたい」と笑顔を見せた。

 【写説】「水準の高い歌をコンスタントに作れるようになりたい」と話す中谷愛美さん=18日正午、静岡市葵区の常葉学園短大

静岡新聞平成24年9月19日水曜日掲載記事はこちら
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