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入学式 学長告辞

本日ここに、常葉学園短期大学第四十六回入学式を挙行するにあたり、私から告辞を申し述べます。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。そして、保護者の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。
また、公私ご多忙中にもかかわらず、ご来賓をはじめ、関係各位のご臨席を賜り、衷心より厚く御礼申し上げます。
ただ今、皆さんは晴れて、常葉短大の学生になりました。これから二年間、誇りと自信を持って学業に精進するとともに、有意義な学生生活を送っていただきたいと切に思います。
さて、常葉学園の常葉は、万葉集に見える聖武天皇の御製「橘は実さえ 花さえ その葉さえ 枝に霜降れど いや常葉の樹」に因んでいます。霜雪に耐えて常に青々とした葉を繁らせ、純白で香り高い花を咲かせ、豊かな黄金の実を結ぶ橘こそ、常葉学園の教育理念の象徴です。当然のことながら、本学もこの建学の精神を土台に、開学から四十五年間、様々な教育研究活動を行ってきました。
まず、昭和四十一年に国文科と保育科の二学科で開学いたしましたが、同四十三年に音楽科、同四十七年に英文科と美術・デザイン科を開設、しばらく静岡と菊川の二つのキャンパスで五学科体制が続きました。また、同四十五年には専攻科を設置し、平成七年には短期大学でありながら学士を取得する途を開きました。その後、美術・デザイン科の四大化、菊川キャンパスの閉鎖等の変遷を経て、現在は日本語日本文学科、英語英文科、保育科、音楽科の四学科と専攻科で構成されており、県内では唯一の総合短期大学としての地位を確立しています。
ところで、皆さんの中には、本学を希望して入学した人とそうでない人がいます。しかし、どの人も常葉短大の学生であることに変わりはありません。つまり、皆さんは常葉短大とご縁があったということです。このご縁を是非とも大切にしてほしいと思います。
人間は、人と人との関わりの中で生きています。今、自分が置かれている環境を素直に受け容れて、ここにいる仲間とともに前向きに頑張ることが何よりも大切です。そこからすべてが始まるのです。私たち教職員も、今日から皆さんを迎えることを心から嬉しく思い、ご縁の有難さを感じています。
次に、明確に確認しておきたいことがあります。脅すわけではありませんが、社会人になるまでに皆さんに与えられている時間は、わずか二年間です。七百三十日、一万七千五百二十時間です。これは、百パーセント明らかな事実です。このわずかな時間が経過したときに、皆さんは否応なく社会に飛び立たなければなりません。
そのためには第一に、大人になる必要があります。いつまでも両親に甘えているわけにはいきません。少しずつ自立していきましょう。自立するためには、まず、自分で意思決定をし、自分の行動に責任を持つことが大切です。できるところから、他人に判断してもらうのではなく、自分で判断するようにしましょう。
第二に、社会に飛び立つためには、できるだけたくさん社会体験をする必要があります。二年間ですが、この間にも社会体験をするチャンスが何回もあります。ボランティアでもインターンシップでも何でもよいのです。そのチャンスを逃さないで積極的に参加しましょう。
このとき大切なことは、失敗を恐れないということです。詳しくはフレッシュマン・キャンプの折りにお話しますが、私の人生は失敗の連続でした。そんな私でも、このようにドロップアウトせずに生きてきました。失敗体験は、成功体験よりも、人間を強くするとともに人間を謙虚にし、魅力的な人間にすると私は確信しています。
第三に、社会に飛び立つためには、他人を理解する必要があります。言うまでもなく、私たちは例外なく、鏡を通さないと自分の顔を見ることができません。ややもすれば、自分の能力や適性はよく分かっていると思いがちですが、社会に通用する能力や適性は、他人が判断するものです。このギャップを私たちは自覚しなければなりません。
これから程なく就活が始まります。自分をPRすることも大切ですが、それ以上に企業や組織のブランド名に目を奪われることなく、企業や組織の実体を冷静に分析する必要があります。そして、その企業や組織が自分に何を求めているかをしっかりキャッチし理解しなければ、就職は覚束ないと思います。
さて、常葉短大の二年間の学生生活の中で、皆さんにぜひ達成してほしいことがあります。それは、かけがえのない友人をつくることです。言うまでもありませんが、かけがえのない友人とは、遊び友達ではありません。自分が失敗し辛い思いをしたり、恋愛や就職で悩んだりしているときに、真剣に話しを聞いてくれたり相談できる相手のことです。私も、数々の失敗の折り、孤独感に苛まれ、大学時代の友人に随分助けられました。みんなも同じことで悩んだり、つまずいているんだなと実感し、自分一人だけではないんだとほっとすることもありました。
もちろん、相談相手は友人に限りません。両親や先生と相談する時もあるでしょう。しかし、世代の違う両親や先生とは一生付き合うことはできません。同世代のかけがえのない友人とは一生の付き合いになるのです。核家族が定着している上、兄弟が少ない現在、持つべきは、財産ではなく、かけがえのない友人であると私は確信しています。
最後に、常葉短大の現在の教育理念について簡単にお話します。それは、ライフデザインという言葉に凝縮されます。
このライフデザインを描くためには、皆さんが今後長い人生を歩んでいくために必要となる基本的な社会的能力、たとえば、コミュニケーション能力、自己表現能力、他人理解能力などの開発に重点を置いた教育が必要と考えます。このため、一年次に「ライフデザイン総合セミナー」という教養教育科目を用意しています。
皆さんには専門科目の履修を通して専門的知識や専門的スキルを身につけてほしいと思っていますが、同時に、良識ある立派な社会人になってほしいのです。そうでなければ、どんな職業に就いても長続きはせず、社会的信頼は得られません。一般的には、教養教育科目は軽んじられる傾向がありますが、決して息を抜かないで取り組んでください。
最後に、私たち教職員は皆さんに誓います。すべては“常葉短大に来てよかった” のために全力を傾注することを。

平成二十三年四月四日

常葉学園短期大学

学長 木宮岳志

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